社員受入・初期教育

300名の外国人スタッフのトレーニングに動画マニュアルを活用し、迅速な戦力化を実現(F社)

プロジェクト

業界宿泊
規模従業員数600名以上
課題 新施設オープンに向けて、300名の外国人スタッフのトレーニングが必要
300名の外国人スタッフを教育するための人員体制が整っていない
動画を使った教育の仕組み作りが急務となっていた
目的新施設オープンまでに外国人スタッフ300名の研修を完了し、一定のクオリティでオペレーションを回せる状態を作ること
支援内容動画マニュアルの作成支援
効果外国人スタッフ・外国人トレーナーの迅速な戦力化

悩み・課題

首都圏を中心に宿泊施設を展開するF社では、大型ホテルのオープンに向けて新規採用した従業員600名の研修を行う必要がありました。

彼らの主な業務は、ハウスキーピング(チェックアウト後に部屋を元の状態に戻す作業)です。大型ホテルで部屋の種類は13タイプ、部屋数は1557室。作業は1部屋につき20分程度、全室に作業を施す場合は合計でのべ519時間が必要です。ハウスキーピングの時間帯は、チェックアウトの11:00から次のチェックインの15:00までであるため、一通りの作業内容だけでなく、迅速な作業スピードも習得しなければいけません。

また、従業員の半数の300名はベトナムを始めとする外国人で、日本語が十分に理解できない方もいます。さらに、彼らの出身国でなじみのないもの、例えば「スポンジとは何か」、「ドアストッパーとは何か」の説明から始める必要があります。これでは業務を習得するのにかなりの時間を要してしまいます。

研修担当の責任者は、「オープン当日までに、全ての従業員への教育を完了できるのだろうか」と不安を抱えていました。その解決策を検討した結果、“お手本となるやり方を視覚的に示せる方法”が最も良いと考え、動画マニュアルの作成支援を弊社に依頼することを決めました。

支援内容

弊社スタッフが現地に赴き、サンプルとなるマニュアルを実際に作成して見せながら、動画マニュアルの作成方法をレクチャーしました。(サンプルマニュアルは同施設のフロント業務を題材にしました。)

具体的には、まずその場で実際に撮影を行い、「適切なカメラアングル・距離」、「話すときの間の取り方」などについて解説しました。これらのポイントは、業務を行う上で必要な行動をきちんと収録するためだけでなく、後で動画を編集しやすくするための工夫につながります。

次に、撮影した動画を素材として、弊社スタッフがマニュアルを作成しました。そのマニュアルには「テロップの色・表示時間」、「注目してほしいポイントを図示するやり方」といったノウハウが採り入れられています。
例えばテロップの色の使い分けに関して、平常時は、新聞や本でも一般的な“黒色”を使用し、重要なポイントに関する部分には“オレンジ色”を使用します。「モノトーン」と「鮮やかな色」の対比を用いて、重要度の違いを表現することができるのです。
また“赤色”は直感的に「危険なもの」と認識する心理が働くため、NG行動などの説明に使用します。

他にも、「テロップの背景を“白色”にすると、文字がはっきり見える」、「テロップを表示するとき“4文字につき1秒間”だけ止めると、“文字を読む時間”と“動画全体”の長さのバランスが良い」といった、マニュアルの閲覧者がストレスを感じない配慮が施されています。

こうして作成したサンプルマニュアルをベースに、F社の担当者がハウスキーピングの動画マニュアルを作成していき、ツールを使って全従業員に共有しました。

結果・効果

研修担当の作成したマニュアルは、オープン前の期間の実地研修において活用されました。
まず、F社の実地研修は、1人のトレーナーと2~3名の従業員によるグループで、各部屋を回りながら行います。従来の指導方法では、以下の手順で進めていました。

  1. トレーナーから作業手順を説明
  2. トレーナーが実際に作業のお手本をして見せる
  3. 従業員に実践してもらう
  4. 実践の様子を見てトレーナーからフィードバック

しかし、動画マニュアルの導入後は、各自が事前に動画を閲覧して予習を終えているため、1と2の手順は不要となりました。これは1回の指導で90分間の時間短縮に相当します。全体的に見ると、外国人従業員300名を3名ずつに分けて研修するには100回の指導が必要であり、90分×100回=9,000分、すなわち150時間の時間短縮に成功したのです。

また、研修におけるトレーナーの負担が軽減されたことから、新入社員がトレーナーとして戦力になるまでの時間も短縮することができました。
特にF社では、外国人従業員の教育体制を強化するために、外国人トレーナーの採用・育成にも力を入れています。当初は日本人トレーナー3名が、外国人トレーナーの教育も受け持っていましたが、今後はトレーナー育成用の教材にも動画マニュアルを活用し、短期間で多くの人材を育成できる体制づくりに取り組んでいます。

動画を使ったマニュアルの特徴を生かし、事業展開のスピードに対応できる現場へと変われたことは、単なる「デジタル化」に留まらない成果であるといえるでしょう。

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