HR領域

コンプライアンス教育にマニュアル作成ツールを導入し、社員の理解度を可視化(H社)

プロジェクト

業界飲食
規模従業員数1000名
課題 全社員にコンプライアンス教育を実施しているものの、解説資料の配布に留まっている。
資料の解説内容を正しく理解できているかが把握できていない。
目的コンプライアンス教育の効果・進捗を管理し、会社の求める理解度の基準を全社員が満たした状態にすること
支援内容既存の教材を動画マニュアルに変換
理解度チェックテストの作成・共有
効果全社員が会社の求める合格基準を達成

悩み・課題

飲料メーカー系列の飲食店を運営するH社では、コンプライアンスに関する教育を社内全体に徹底させる方法を模索していました。

コンプライアンスの内容には、具体的には「パワハラ防止」、「景品表示法」などモラルに関わる項目のほか、「衛生管理」、「アレルギー情報」といった安全な飲食を提供するために必要な項目も含まれます。
従来はWordやPowerPointで作成した教材をメールに添付し、本部から店舗まで全社員に向けて発信していました。しかしこの方法では、「誰に教材を配布したか」を管理することはできても、「受け取った社員が教材を読んだか」、「教材の内容を充分に理解できたか」を把握できません。

コンプライアンス教育においては、順守すべき項目の多さから教材のボリュームもあり、かつこれらの内容を文章で理解するのは容易なことではありません。しかし、理解を促進するための社内勉強会を定期開催するには、そのための工数や費用が大きな負担となります。
また店頭でのオペレーションとは異なり、コンプライアンスはOJTで教えられるものではないため、社員がどれだけ理解できているかを実践してもらう術がありません。

こういった煩わしさのせいで、本部として行う施策は“コンプライアンス順守に向けた発信”および“教材の全体共有”に留まり、内容の習得やアルバイトスタッフへの伝達は社員一人ひとりに委ねるという、望ましくない状況が続いていました。

支援内容

このとき同社の品質管理担当者が着目したのは、店舗スタッフの教育のために導入・運用していた「動画マニュアルツール」でした。
このツールはもともと、店頭での接客や新メニューのレシピなど基本業務の手順を動画で配信するのに使用されており、スタッフからも「動画で見ると分かりやすい」という声が挙がっていました。
また各ユーザーがどのマニュアルを閲覧したかが記録されており、本部の管理者が教育状況を確認しながら施策を立てられる体制になっていました。

そこで、コンプライアンス教育においても、現行の教材を動画マニュアルに刷新し、ツールを使用して配信することに決めました。

一般的に、動画を使った教材を内製化するとき、最もハードルとなるのが「動画の作成」です。
今回の場合、既存の教材の多くはPowerPointで作成してあったため、これらをスライドショーの動画として出力し、掲載することができました。

次に、動画マニュアルの効果を測るために重要となるのが、「理解度のチェック」です。
具体的には、Googleフォームで理解度テストを新たに作成し、URLを動画マニュアルに添付するようにしました。つまり、一連の動画を見終わった後、URLをクリックしてテストの受講に進めるような構成にしたのです。このテストは社員・アルバイトを問わず回答可能で、社員に対しては全員に回答を義務付けています。
Googleフォームで提出された内容は、受講者の氏名から問題の解答まで、スプレッドシートに自動で集約されます。そして本部では、その結果を基に採点するほか、未回答の社員に回答を促すなどの対応を行います。

こうして、当初の課題であった「膨大な知識の習得」、「学習状況の管理」の2つを解消できる体制へと変更していきました。

結果・効果

新しい方法で教材を公開し、全てのマニュアルの閲覧数を確認できるようになった結果、いずれも閲覧が少しずつ増えていき、1200回以上に伸びていることが分かりました。このことから、社員に限らず新しく入ったアルバイトスタッフも動画マニュアルを見て学習していることが推察できます。

また、社員一人ひとりを採点しているおかげで、合格基準に達している社員がどれだけいるのかを本部で数値化・可視化することが可能になりました。その結果、基準を満たしていない社員に再度学習や受講を促し、最終的には全社員が基準を満たせるようになりました。

当初は、定期勉強会をはじめとする「社内全体を一括しての施策」しか選択肢のない状況でしたが、ツールの導入によって「社員一人ひとりの理解度に応じた施策」という選択肢を得ることができたのです。

H社では今後、各種ツールを併用して教材のブラッシュアップを施し、テストの受講率や合格率を向上させるための施策を計画しています。

会社の事業を管理する上で、業績や目標を数値化することで可視化する体制は広く浸透していますが、社内の教育に関しては、効果や進捗を適切に可視化できている企業はまだまだ少ないのが現状です。
とくにコンプライアンスのように、OJTという手段を採れない教育においては、理解度や進捗を数値化・可視化し、管理できる体制が必須となります。

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